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二一世紀が始まった。 その節目に起きている情報技術革新の大波は、世の中のすべてを変える爆発力を秘めている。
その力をうまく利用すれば、産業をはじめとして、われわれの生活をより豊かにし、人類は繁栄の世紀を迎えることができるだろう。 情報技術革新が創り出そうとしている新しい世界の中で、特に新しい物流革新についてインターネットに代表されるように、情報技術は飛躍的な進歩を遂げている。
これまで企業間あるいは企業と消費者の間にあった情報の制約は、どんどん取り払われてきている。 もはや、EC(エレクトロニック・コマース)、SCM(サプライチェーン・マネージメント)などは、毎日、耳にし、目に飛び込んでくる言葉となった。
また、企業経営において情報技術の導入は、これまで以上に重要な施策となっている。 このような中で、いま物流が大きく変貌しつつある。
かつての大量生産・大量消費時代にも物流を革新する創造がいくつも見られた。 たとえば、大量輸送のための効率的な輸送手段の登場、荷役の機械化や自動化などである。
インターネットの登場により、物流は消費者も巻き込みながら、新しい変化を見せている。 言うまでもなく、情報技術の革新と、これに伴う物流の革新は、荷主企業や物流企業のビジネスのやり方を大きく変える。
荷主企業と物流企業の関係や、物流企業同士の関係を変えるだろう。 いま、「物流をうまくやるかどうか」が企業競争力をかつてなく左右する新たな時代に入ったので、すでに、荷主企業においては、中核となる業務へ経営資源を集中する経営施策が行われている。
いわゆるコア・コンピタンス経営である。 このような状況の中で、物流についても「自前主義からの脱却」が叫ばれ、本格的な「物流アウトソーシング」が実践されつつある。

一方、物流企業においても、その受け皿として、荷主企業の物流を包括的に請け負う3PL(サード・パーティ・ロジスティクス)という新しいビジネス形態が登場している。 より低コストで高品質な物流、言い換えれば「必要なものを、必要なだけ、必要な場所に、高い信頼性をもって、できるだけローコストに届ける物流」の本当の実現という意味では、いまからが本番である。
このように、物流企業に課せられた使命は大きく、現段階ではまだ充分にその役割を果たしているとは言い難い。 今後、荷主企業の生き残りと発展のために、物流企業は、いま以上に情報技術を巧みに利用した新しい物流システムや、物流サービスを提供することが必要になる。
また、荷主企業のグローバル化への対応や、資源循環型社会への貢献、ひいては、わが国における物流の高コスト構造の情報技術革新による新しい物流の理解を深め、顧客とともに歩む物流企業を理解する一助となることを期待したい。 是正など、物流企業が主体的に取り組むべき課題は多い。
これまで工業社会の発展を支えたインフラストラクチャ(の社会的生産基盤)は、鉄道、道路、港湾、空港などである。 インターネットは、たとえば、「人や物が、自由に行き交うことができる道路」と同じである。
しかも、世界規模の情報の道路である。 もはやインターネットは、新たなインフラストラクチャとして、高度情報社会の発展の中心になりつつある。

また、いまの企業経営では、何よりもスピードが重視されている。 現在の企業規模がどうかではなくなりつつある。
つまり、ビジネスの成否は、経営の規模が大きいか、小さいかよりも、スピードが早いか、遅いかで決まるようになってきている。 インターネットは、今後ますます、これまでには見えなかった価値や、かくれていたニーズを表にあらわしていくものと考えられる。
個人の生活や、企業経営はもとより、社会のあり方などを大きく変貌させていくことになる。 この状況を見ていると、過去に体験してきたことが思い出される。
この一○年を見ても、一九九○年代に入ってからのマルチメディアブーム、一九九○年代半ばのCALS(のIC言一の連続的な調達とライフサイクルのサポート)ブームなど、さまざまなブームがあった。 どこかの企業が、ある新しい考え方で成功すると、それに名前(キーワード)をつけて宣伝する。
そのため、多くの人々は、主体性のないままそれに乗せられ、横並び状態になるという繰り返しだった。 たとえば、SIS(戦略的情報システム)ブームの時には、Am航空社のCRS(国航空座席予約販売システム)が、また、CALSブームの時には、航空機メーカーであるBi社が、成功事例として繰り返し取り上げられた。
このような中で、多くの企業が、これらの成功事例に追随しようとした。 結果的に成功を収めたところは極めて少ない。
いま、現実に起こりつつあることは、「ITによるビジネスモデルの革命」である。 ただ、キーワードやキャッチフレーズは、短くなくてはならない。
だから、「IT革命」となってしまう。 また、キーワードを多用することによって、本人も、またそれを聞いているまわりの人々も、わかる点である。
過去のブームもITの利用を前提としていたが、そのころのコンピュータ、通信ネットワーク、端末機器や、その利用技術は、非常に高価であった。 大企業を中心とした体力のある企業しか利用できなかった。

その結果、具体的な導入件数は少なく、効果も定まらず、ブームが去っていった気になってしまうところが危険である。 ある事柄に関する用語集、辞書、実用書を買い集めて、簡単な解説を丸暗記してわかった気になる。
ある日突然、「自分は何も理解していなかった」ことに気がついたことはないだろうか。 インターネットの爆発的な普及は、いまの流通やサービスのあり方に、大きなインパクトを与えている。
今後も、新たな流通形態や、新しいサービスを世の中に送り出すのは間違いない。 現在のようなe−ビジネスが成立する環境は、突然現れたわけではない。
一九六○年代のこれらを活用して企業のビジネスの合理化に結びつけていった過程には大変驚かされる。 知恵を絞って、いまある資源を、最大限に利用する工夫をしたのである。
その知恵や工夫が、e−ビジネスにも活かされていることに気づく。 ところが、e−ビジネスという言葉には、口に出しては言わないが、「いつでも、どこでも、だれでもできる、インターネット技術を活用したビジネス」という意味が含まれている。
「いつでも、どこでも、だれでも」という性質こそ、過去のオンライン・システムを利用したビジネスと、e−ビジネスとの最大の違いなのである。 この性質、つまり、「いつでも、どこでも、だれでも」を表わす言葉としては、「ユビキタスが知られている。
ちなみに、ユビキタスとは、「同時に、いたるところに存在する?」というラテン語に語源を持つ英語である。 この言葉には、「だれでも」という意味はない。
e−ビジネスでは、「だれでも」という要素が不可欠である。 したがって、e−ビジネスの持つ最大の特徴は、SOHOと言われる小規模の企業や、個人でも参加できることにあると言えよう。

言い換えれば、これまでのように、大きな投資のできる企業だけが作り出すビジネスではないのである。 また、このユビキタスを前提とすると、現在、e−ビジネスと、インターネットやモバイルが、対になって語られるのも理解できる。

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